2019年6月27日木曜日

NISA申し込み急増。個人を動かすには危機感を煽るのが一番


こんにちは。ひとりです。

NISAの申込みがネット証券で急増しています。「老後に約2,000万円の備えが必要」とした金融庁の報告書がひとり歩きして、20歳代~40歳代の老後の危機感を煽ったようです。

6年前のNISA(一般)や2年前のiDeCo(イデコ)、1年前のつみたてNISAが始まる時に、あれだけ雑誌や新聞で取り上げられても動かず、具体的な2,000万円という金額が提示された今、自分の貯蓄と2,000万の開きを確認して焦りを覚えたのではないでしょうか。

人を動かす原動力はやはり危機感です。かく言う私も、投資を6年前に始めたのは退職を期に将来への不安や危機感からです。


金融セミナーに応募が殺到。まさにカモ、ネギ状態


この投資への興味関心を、商機ととらえる会社もあります。

「老後」「2,000万円」といったキーワードを散りばめた金融セミナーに応募が殺到しているようです。業者に取ってみれば、鴨が葱を背負ってきたと胸を高鳴らせているでしょう。

あるセミナーは36人の定員に対して、144人の応募がありました。応募者は現役世代で、年代は20歳代~50歳代までと幅広いです。このように投資、資産運用セミナーへの参加や相談申し込みは、金融庁の報告書以前比の4割増です。

金融セミナーを否定するわけではありませんが、JPX(日本取引所グループ)が主催する無料セミナーに2017年ごろから2年間参加して思ったことがあります。


セミナーに参加しても、その人の性質は変わらない


セミナーに参加したからといって毎月の貯蓄率が格段に向上するわけでも、株式投資で成果を出せるわけでもないということです。セミナーにその人の性質を変える効力はありません。

セミナーはあくまで何を学ぶか、自分にどんな知識が足らないかを知るきっかけでしかありません。セミナーには、資産運用初心者が求める安直な情報(どの銘柄が儲かるか、年率20%を稼ぐ方法など)はなく、自分がどんな情報を欲しいのかを知るきっかけということです。

自分が欲しい情報が分かれば、あとはその情報を追い求めるだけです。新聞や雑誌、ネットなど、欲しい情報が分かればいくらでも手に入れる方法はあります。ただその情報の真偽を判断する目や経験が必要です。

私は自分が求めている情報がなにか、セミナーや投資の失敗経験を通じて分かったので、今はセミナーに参加していません。もちろん求める情報は、市場と同じように日々移り変わります。