2018年3月17日土曜日

資金を減らさず次につなげる、損切りに必要な2つの視点


こんにちは。ひとりです。

日本取引所グループとカブドットコム証券が共催する株式セミナーが16日、大阪証券取引所ビルで開催されました。そのセミナーを受講しましたので感想をご紹介します。

3月16日(金)18:30~20:00
「河合ゼミナー 投資ストラテジー塾」(JPX・カブドットコム証券 共催)
講師:河合達憲さん(カブドットコム証券 投資ストラテジスト)


学びを深めるきっかけがあるセミナー


河合ゼミナーを受講するのは今回で3回目です。株式投資や経済について毎回、学びを深めるきっかけがあります。参加回数を重ねるごとに、セミナーのなかで挙がったキーワードや話題を自宅で調べることが増えています。

前回のセミナーは例えば、2月頭の大きな下落を受けての話題でした。

2018/2/18
東証セミナーに参加。株価下落時に投資家が行う3つのこと
株価下落時に投資家が行う3つのポイント。日本取引所グループとカブドットコム証券が共催する株式セミナーが16日、大阪証券取引所ビルで開催されました。日経平均の2月に入ってからの下げから話題が広がり、またこのような時に投資家が行う3つのポイントを紹介されています。

今回は、ロスカット(損切り)の重要性とそのロジックです。


ロスカット(損切り)で必要な2つの視点


株式投資を長く続けていると、ロスカットが必要な場面に必ず出くわします。その時に2つの視点を持って、行動できるかどうかです。

ロスカットの視点は2つあります。
  1. 資金をこれ以上減らさないため
  2. 資金を次の投資につなげるため

1)の視点しか持たない人はロスカットを避けることが多いです。含み損のまま持ち続けている限りは、損していないのですから。

含み損のまま持ち続けることで、いずれは買値にまで戻すことがあるかもしれません。また買い増し(ナンピン)することで、買値を下げて戻りを待つこともできます。どちらにしても期待でしかなく、不確実です。

2)の視点をあわせ持つことで、ロスカットに建設的な意味が生まれます。具体的な数字を挙げると分かりやすいです。

例1)10%下落でロスカットした場合
買値3,600円(100株で36万円)のA銘柄を10%下落でロスカットした場合、資金は32万4,000円(-36,000円)になります。

この資金でB銘柄を購入して、買値から10%上昇した場合、35万6,400円になります。また20%上昇した場合は、38万8,800円になります。

資金の推移
  • 元本 36万円
  • A株を10%下落で損切り 32万4,000円(元本比-36,000円)
  • B株を10%上昇で利確 35万6,400円(元本比-3,600円)
  • B株を20%上昇で利確 38万8,800円(元本比28,800円)

例2)20%下落でロスカットした場合
買値3,600円(100株で36万円)のA銘柄を20%下落でロスカットした場合、資金は28万8,000円(-72,000円)になります。

この資金でB銘柄を購入して、買値から10%上昇した場合、31万6,800円になります。また20%上昇した場合は、34万5,600円になります。

資金の推移
  • 元本 36万円
  • A株を20%下落で損切り 28万8,000円(元本比-72,000円)
  • B株を10%上昇で利確 31万6,800円(元本比-43,200円)
  • B株を20%上昇で利確 34万5,600円(元本比-14,400円)

買値から10%の下落でロスカットした場合、ほかの銘柄で10%の上昇に乗れば元本をほぼ取り戻せます。一方、買値から20%の下落でロスカットした場合、ほかの銘柄に乗り換えて20%上昇で利確してもまだ元本にはとどきません。またそう簡単に20%上昇する銘柄を見つけることはできません。

資金を次の投資につなげるためにロスカットする大切さが分かります。株式投資は、絶対儲かりますし、絶対に損します。勝った、負けたの回数ではなく、その比率に目を向けることで、株式取引の方法が変わるのではないでしょうか。

また銘柄一律でロスカットの比率を決めるのではなく、市場背景や銘柄の業績を考慮することも忘れてはいけませんね。