2018年3月11日日曜日

マーケティング(How)とブランディング(What)の違いは


こんにちは。ひとりです。

中小企業診断士試験のなかに、企業経営理論があります。企業のマーケティングやブランド計画、広告の基礎が求められます。例えばマーケティングとブランディングの違いは何でしょうか。


マーケティングとブランディングの違いは


マーケティング(Marketing)は、“どのようにして”(How)の役割を担います。企業の価値(商品や提供するサービス)をどのように伝えるのかという部分です。

市場を創造して、それを広げ、認知度を高めることがマーケティングの目的です。企業が自分のイメージを、消費者に伝える努力とも言い換えられます。つまり、イメージアップを行うこと、消費者に企業の良いイメージを持ってもらうことです。

一方ブランディング(Branding)は、“何を”(What)の役割を担います。企業の価値を向上させることが目的で、企業の存在意義を定義する部分です。

企業イメージや商品、サービスに付加価値を加えることで、消費者に対して、その認識価値を上げることがブランディングの役割です。ブランドは心理的な企業価値でもあります。

マーケティング:消費者に企業をどう見てもらいたいか
ブランディング:消費者が企業をどう見ているか

マーケティングの結果としてブランドが認識され、そのブランドを育むためにマーケティングが行われています。


自己実現欲求に注目。マーケティング3.0から4.0へ


フィリップ・コトラー氏(ノースウエスタン経営大学院)は、「近代マーケティングの父」として世界に広く知られています。コトラー氏が1960年代に提唱した「4P」(プロダクト、プライス、プレイス、プロモーション)を記した『マーケティング・マネジメント』は、世界の大学・大学院で最も読まれた教科書の1つです。

類似の商品やサービスがあふれる成熟市場で、いかに自社の商品やサービスを売るかは企業が抱える大きな悩みです。

コトラー氏によると、マーケティングは市場変化に応じて、その意味合いを変化させているといいます。

・マーケティング1.0
製品の販売を目的としたマーケティング

アメリカで生まれたモデルであり、製品中心のマーケティングのことです。技術革新によって製造業が経済の中心となった1950年代、生産コストをできるだけ抑えて安価な製品をつくり、それをマス市場に売り込むことが背景にあります。「製品を販売すること」を目的に、製品機能そのものが価値を持つと考えられていました。


・マーケティング2.0
消費者を満足させることに知恵を絞るマーケティング

顧客志向のマーケティングです。企業は製品の機能に価値を持つ(マーケティング1.0)のではなく、顧客のニーズをくみ取ることが大切と考えるようになりました。背景には、商品やサービスの機能面での差別化、付加価値を与えることが難しくなったことがあります。

その結果、大量生産・大量消費型のビジネスモデルが崩れ、多品種少量生産型経済が到来。製品やサービスがもたらす価値は企業ではなく、消費者が決める時代になります。 


・マーケティング3.0
環境や社会問題など、崇高な目標を掲げて消費者の価値観に訴えるマーケティング

社会をよりよい場所にすることを目的に、企業は消費者に製品やサービスだけでなく、精神的価値や社会的価値を提供する存在になります。それが価値主導のマーケティングです。


・マーケティング4.0
消費者個々の自己実現欲求に焦点を絞ったマーケティング

A.H.マズローの欲求5段階説の「自己実現欲求」のことを指します。ここでいう自己実現欲求とは「自分に注目してほしい」「自分の所属するグループは、ほかとは違う」というだけではなく、「自分が何者か」ということをはっきりと示せるようになりたいという欲求であり、人間の最上位の欲求です。


マーケティングに関連する広告のこと、また私が好きなラジオから流れるCMにも話題を広げようと思いましたが、長くなりましたので次回に。

マーケティングに関連する広告のこと、また私が好きなラジオから流れるCMにも触れようと思いましたが、長くなりましたので次回に。