2018年3月6日火曜日

あのバルミューダと同じ、果物が長く楽しめる体験価値を売る


こんにちは。ひとりです。

フードシェアリングサービスについて昨日、投稿しました。

2018/3/5
美味しいものが安く手に入る、フードシェアリングサービス
食品ロスが問題になる中で、民間のフードシェアリング事業が徐々に始まっています。あるサービスは、余剰食品を定価以下で販売しています。サービス加盟店が余剰食品の価格と取引期限をウェブサイト上に掲載して、ユーザーがウェブ決済の上で店頭に取りに行く仕組みです。

フードシェアリングとは異なる視点から今朝の新聞に、フードロスへの取り組みが紹介されています。それは米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏と妻のメリンダ氏が投資するビジネスです。


飢餓を救う1滴、果皮成分を食物に吹きつけ寿命2倍に


フードロスの原因は主に2つ、調理し過ぎて(仕入れ過ぎて)余らせることと、食品(青果)の消費期限が過ぎてしまうことです。

食品、主に農産物の消費期限を伸ばすことができれば、フードロスを減らすことができるのでは。そんな視点から始まった研究です。

農産物の消費期限を伸ばす方法は、透明な2枚目の皮を吹き付けるイメージです。農産物が腐る理由は、水分が抜けることと酸化することです。2枚目の皮がその点を補えば、消費期限を伸ばすことができます。農産物の消費期限が伸びることで、スーパーの店頭に長く並べられるのはもちろん、遠くから輸送される農産物が輸送途中で腐ることがなくなります。


“2枚目の皮”で、農産物の消費期限が2倍に伸びる


果物の皮の成分をもとに、果物の劣化を遅らせる液体を開発したのは、アピールサイエンス社(米カリフォルニア州)です。米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏と妻のメリンダ氏が、アフリカの農家が栽培した農産物が、輸送途中で腐るようなことをなくしてほしいとの思いを込めて投資したスタートアップ企業です。流通段階での腐敗による廃棄(フードロス)を減らせることは農家にとって、販路拡大のチャンスです。

そこで開発されたのが劣化抑制剤「エディピール」です。農産物の乾燥を抑えたり、酸化を防いだりする効果があり、まさに透明な2枚目の皮といえます。果物の種類にもよりますがその効果は、常温で保存していても食べられる期間が2倍に伸びるそうです。


あのバルミューダと同じ、果物が長く楽しめる体験価値を売る


アピールサイエンス社は販売視点も独特です。劣化抑制剤「エディピール」を売るのではなく、果物が長持ちするという成果を売りたいといいます。つまり商品ではなく、素晴らしい体験を売るという考え方です。物が売れなくなる中でいかに顧客を満足させるか、業種を問わず通じる考え方です。

日本にも同じことを掲げるメーカーがありますね。トースターや蒸気炊飯器で有名なバルミューダです。バルミューダも商品を売るのではなく、その商品を使うことで生まれる、素晴らしい体験を顧客に訴求しています。

ほかにも店舗の位置付けを「売る場」ではなくて、「体験する場」にリニューアル企業が増えています。売る側にも、買う側にも今後、体験価値の視点が欠かせません。