2018年12月23日日曜日

ジュグラーサイクル。干支と相場のアノマリーを解き明かす


こんばんは。ひとりです。

日本取引所グループ(JPX)が共催するセミナーが21日、大阪で開催されました。そのセミナー内で紹介された内容が、私の来年の投資に生かせそうなのでご紹介します。

まず1つ目は干支と相場のアノマリー(相場の経験則)です。


2018年は戌(いぬ)笑い、2019年は亥(い)固まる


辰巳(たつみ)天井、午(うま)尻下がり、未(ひつじ)辛抱、申酉(さるとり)騒ぐ、戌(いぬ)笑い、亥(い)固まる、子(ね)は繁栄、丑(うし)つまずき、寅(とら)千里を走り、卯(う)跳ねる

12年を1周期とする上記のアノマリーでは、「戌(いぬ)笑い」の今年は上々相場の仮説です。12月も下旬の今、持ち株を振り返るとそうとは言えませんが …。

では「亥(い)固まる」の来年はどうでしょうか。「固まる」は相場の足固めを意味しており、堅調の仮説です。

多数あるアノマリーに明確な理論や根拠があるわけではありませんが、干支と相場の関係については設備投資の理論が多少なりとも絡んでいます。

それが景気循環の一つ、ジュグラーサイクル(Jugula Cycle)です。


干支と相場の関係を解き明かす「ジュグラーサイクル」


ジュグラーサイクルは景気循環がおよそ10年ごとに訪れるケースを表しています。つまり、企業の設備投資の周期と重ね合わせることができます。また10年という月日から中期循環ともいわれます。

景気循環には循環する時間ごとに他に3つあります。

・キチンサイクル(Kitchin Cycles)

景気循環が約40ヶ月(約3.3年)ごとに訪れるケースです。在庫投資の活動周期に重ね合せることができます。

ジュグラーサイクルの中期循環に対して、キチンサイクルは短期循環ともいわれます。またジュグラーサイクルの期間中にはキチンサイクルが2つ、時には3つ含まれます。

・クズネッツサイクル(Kuznets Cycle)

景気循環が20年前後ごとに訪れるケースです。建築物の建替え周期に重ね合わせることができます。また建築循環などと呼ばれることがあります。

・コンドラチェフサイクル(Kondratieff Wave)

景気循環が50年前後ごとに訪れるケースを指します。技術革新の周期と重ね合わせることができ、長期循環とも呼ばれます。

循環期間の順に整理すると下記のようになります。

  • 短期循環(約3.3年)| キチンサイクル(在庫投資の活動周期)
  • 中期循環(約10年)| ジュグラーサイクル(設備投資の周期)
  • 建築循環(約20年)| クズネッツサイクル(建築物の建替え周期)
  • 長期循環(約50年)| コンドラチェフサイクル(技術革新の周期)

このように干支と相場のアノマリーは、中期循環のジュグラーサイクルと関係が深いことが分かります。


ジュグラーの波、なぜ衛藤美彩はラジオで数字を学ぶのか?


ジュグラーといえば、それを番組名にしたラジオがあります。経済活動をテーマにしたラジオ番組です。

ジュグラーの波 ~なぜ衛藤美彩はラジオで数字を学ぶのか? ~
衛藤 美彩(乃木坂46)、澤 昭人(公認会計士)
土曜日 25:00〜25:30(TOKYO FM 80.0MHz.)

会計を学ぶために以前購入した本の著者が、同番組のパーソナリティです。
なぜ彼女が帳簿の右に売上と書いたら世界が変わったのか? 
(衛藤 美彩、澤 昭人)

複式簿記に焦点を当てた脚本形式の小説で、簿記を学び始めの頃に手に取りました。


下落局面でも慌てずに。保険としてのインバース型ETF


話題が少しずれましたが、セミナーではほかにも下記の2つが参考になりました。

  • 国内・インバース型ETF
  • 金利と株価の関係

国内・インバース型ETFは、「NEXT FUNDS 日経ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」(1357)が有名です。

日経平均株価の前日比変動率(%)のマイナス2倍に株価が動くETFです。つまり相場が下がった時にその価格が上昇する「ベア型」の銘柄です。

株式投資の基本は、株価の上昇を狙って資産を投じるものです。その点で扱いづらい銘柄とこれまでは避けてきましたが、ここ数ヶ月の相場を見て、また来年の相場に向き合うにあたって、投資方法の1つとして必要と判断しました。

インバース型ETFは相場下落時の保険の役割としてオプション取引と似ていますが、個別銘柄との損益通算ができることを考慮すると、オプション取引よりも使い勝手が良いのではと考えています。

来年の本格運用に向けて、まずは使いこなせるように少額から早速取引を始めたいと思います。

最後は金利と株価の関係です。


金利が上がると、投資価格は下向きに調整せざるを得ない


恥ずかしながら株式投資と金利の関係性が十分に理解できていません。つまり金利が上下するタイミングをまだ、株式投資の売買に生かせていないということです。

金利上昇が資産運用にとってどれだけ逆風になるか、ウォーレン・バフェットが1999年に講演会で語っています。

「金利が上がると、全ての投資の価格は下向きで調整せざるを得ない。財務評価に対する金利の影響は物質に対する重力の影響と同じだ」

株価は上昇するものだと、高を括った投資方針から脱却する時期です。投資6年目を前に、私の投資方針に何が足りないのか、また何を学ぶべきかが少しずつ見えてきました。

投資成績はもちろんですが、その儲け方でも来年は、足場を強固なものに「亥(い)固まる」年にしたいです。