こんにちは。ひとりです。
図書館で春分の日の昨日、雑誌を読んでいると興味深いエッセイがありました。
雑誌 暮らしの手帖に連載中の「考えの整頓」(佐藤雅彦)です。
・暮しの手帖 2019年2 - 3月号
「考えの整頓」は単行本としても2011年に発行されています。
単行本として過去の連載がまとめられたそれ以降も雑誌で連載が続いていますので、いずれは続編がまとめられることを期待しています。
2 - 3月号の内容、第73回は「これ以外の全て」です。
4人のコーヒーを頼んだ客よりも、ひとりの紅茶の客を
あることを知るために、
あることではないことを知る。
謎解きのようですが、要は視点の切り替えです。文中に例として挙げられていたのがコーヒーと紅茶です。喫茶店に訪れた客5人のうち、4人がコーヒーを注文しており、紅茶は1人だけ。
給仕がコーヒーを、どの客の前に置くかを知るためにはどうすれば良いか……。もちろん注文を受ける際に確認していれば良いだけのことですが、ついうっかりという時には、紅茶を頼んだひとりの客を知ればよいのです。
給仕 「(コーヒーをテーブルまで運び)紅茶のお客様は……」
紅茶 客 「はい」
給仕 「(紅茶 客に対して)すぐにお持ちいたしますので、少々お待ちいただけますか。」
そう伝えた後で給仕は、コーヒーを頼んだ4人の客の前にカップを配り始めます。
4人のコーヒーを頼んだ客を特定するよりも、ひとりの紅茶を頼んだ客のほうが簡単に特定できます。そうすれば、紅茶の客以外に、コーヒーを配れば良いのですから。
もちろん客への尋ね方にもひと工夫がいります。コーヒーを配る前に、すぐに紅茶を持ってくる旨を伝えるなど、紅茶の客に、コーヒーを頼んだ客を特定するために利用されたと思わせないようにしなければいけません。
例えばこの方法は、新入社員の歓迎会にも使えるかもしれません。
「とりあえず」生ビールの、会社の飲み会でも
幹事は生ビールを注文する同僚を尋ねるのではなく、生ビール以外を注文する同僚に希望を聞けばよいのですから。
恐らく、「とりあえず」生ビールから注文する人が多い会社の飲み会では、この方法が便利かもしれません。
話の内容をエッセイに戻して。
その後は中華街が舞台です。こちらでも冒頭の「あることを知るために、あることではないことを知る。」がまた違った視点で登場します。
面白かったのでぜひ一読をお勧めします。