こんにちは。ひとりです。
ビジネス交流会に一昨日、参加しました。ダイアローグ(dialogue)という対話を取り入れたもので、交流会の主催者は中小企業診断士らが組織する有限責任事業組合(LLP)です。
アイデアの解放が適うダイアローグ
ダイアローグは、相手の意見を尊重しつつ自分の意見との違いを認識して相互理解を深めることが目的の1つです。そこに意見の統一や、物事の判断、決定は必要ありません。
仕事では普段、実現の可否を念頭に考えることが多く、今回のダイアローグにおいてはその制限を取っ払った、まさにアイデアの解放が適う有意義な取り組みだったと思います。
ただ普段から周囲に興味を持ち、考える癖をつけておかないと、いざアイデアを解放する段になっても何も飛び出さないことがありますが…。
意見することや提案よりも共感がもたらすものは
私は相手に共感することが著しく苦手です。共感するより先に、現状よりも良くなるように意見することや提案することのほうが、相手のためになるのではと考えてしまうからです。それも間違いではないのでしょうが、相手からすれば自分の立場を分かってほしい、まさに共感してほしいと思っているようです。相手は別に、他人に解決策を求めていないということでしょう。
今回のダイアローグは、まさに共感するための訓練にもなりました。そもそも共感することに訓練が必要かと問われますが、残念ながら私にとっては訓練して身につけなければどうにも仕様がないようです。
共感することは、問題を抱えている場合の解決には至りませんが、解決策を提示する以上に相手に安心と信頼をもたらすことがあります。
対話するということは、相手を認めるということ、つまり共感するということです。そこからビジネスが、人間関係が始まります。
※ 追記(2018/2/22)
鷲田清一さんの連載が毎日、朝日新聞の1ページ目に載っています。「折々のことば」として気に留まった言葉を紹介されています。そこにディベートとダイアローグの違いが分かりやすく紹介されています。
ディベートは、話す前と後で考えが変わったほうが負け。ダイアローグは、話す前と後で考えが変わっていなければ意味がない。(平田オリザ)
ディベート(討論)とダイアローグ(対話)の違いについて訊ねたとき、劇作家から即座に返ってきた答え。対話は、共通の足場をもたない者のあいだで試みられる。呼びかけと応えの愉しい交換であり、吐露と聴取の控えめな交換であり、埋まらない溝を思い知らされたあとの沈黙の交換でもある。討論よりおそらくはるかに難しい。
折々のことば:1027
朝日新聞 2018年2月2