2017年11月4日土曜日

その時々の感覚に任せて付けられた、人の名前の行末は


こんにちは。ひとりです。

新聞にこんな記事が載っていました。
「子どもの名前をどうやって決めましたか?」(11月4日 朝刊)

振り仮名がないと読み方がわからないような名前があります。教育の現場では特に、新学期が始まる時期の名簿作成に時間をかけると聞いたことがあります。常用平易な漢字を使っていても読み方は自由に決められるため、あて字のようになりまるで謎掛け、読めないといいます。名付け親は何を思って名前を付けるのでしょうか。


音の響きや読みを先に、漢字は後から


名前に使える漢字は戸籍法で「常用平易な文字」と定められており、2,999字が使える漢字に指定されています。ただし漢字の読み方は自由で、漢字本来の読み方ではないあて字も認められています。

子育て中に「〇〇くん、〇〇ちゃんと呼びたい」と名前の音の響きや読みを先に決めて、漢字を後からあてはめる方法が今は多いようです。

「たまひよ」ブランドで出産、育児雑誌を展開するベネッセコーポレーションによると、名前の読み方の上位は、男の子は「はると」、女の子は「はな」。「はると」は8年連続上位で、いっぽうで「はると」と読ませる漢字の組み合わせは10種以上にのぼります。その漢字の組み合わせも漢字本来の意味や成り立ちは考慮せずに、漢字の雰囲気や形など見た目のイメージだけで選ばれることが多いそうです。


その時々の感覚任せに付けられた名前の行末は


例えば最近見たドラマや映画に出演している流行り俳優の名前を取って。そんな名前の付け方は以前にもあったかもしれませんが、さらに感覚的に、思いつきで名付ける人が増えているように思います。

あて字の名前が付けられ始めてから数十年経ちますが、その名前を付けられた子どもたちが大人になり、生きにくさを感じていることも聞きます。家庭裁判所に名前の変更を申請していることもそのひとつでしょう。家庭裁判所のウェブサイトには「名の変更をしないとその人の社会生活において支障を来す場合」とあります。名前を変えることは余程のことです。

またあて字のみならず、有名人と同姓同名の名前も生きにくいですね。例えば学校や病院、役所で名前を呼ばれる場面など、周囲の視線も気になることでしょう。周りから見ればどんな人なのか瞬間的に興味をそそられるのはごく自然なことかもしれませんが、当の本人からすれば苦しいでしょうに。名付け親の思慮の浅さ、想像力のなさを感じます。また周囲も何故その名前に反対しなかったのかと。

名前は影のようにその人の人生に一生つきまとうもの。また周囲の反応や関わり方から性格をも決めてしまうものだと思います。名付け親は、その名前の子どもと周囲がどんなふうに思うのか、よく想像してみることが必要です。