2018年4月20日金曜日

ポイント投資家が急増。ポイント換算額は、約8億7千万円


こんにちは。ひとりです。

少額から始められる株式投資の話題を最近、新聞やウェブサイトで見かけます。その1つが買い物で貯まったポイントを株式投資に回すものです。

そのポイント投資が今日、日経新聞に紹介されています。

ポイント投資に思惑、投信や株運用、対応6社に、積み上がる「負債」に歯止め
日本経済新聞 2018年4月20日


ポイント投資家が急増。ポイント換算額は、約8億7千万円


投資に興味を持つ人にとっては、ポイント投資が株式投資を始めるきっかけになるなど、利用者のメリットは容易に想像できます。

記事では、買い物で貯まったポイントが投資に使えることや、そのサービスを提供する会社が相次いで登場していることを紹介しています。

  • 投資信託や株式に、買い物で貯まったポイントが使える
  • クレディセゾン、楽天証券などが参入。サービス提供会社は1年強で6社に増
  • ポイント投資家は、13万人超(2018年3月、クレディセゾン)
  • 約8億7千万円。運用に回ったポイントの時価換算額(2018年3月末)

一方でポイント発行企業にとっても思惑があるようです。それはバランスシートの負債に積み上がった引当金(ひきあてきん)の圧縮です。


「眠れるポイント」をいかに使わせるか、発行企業の思惑


引当金(ひきあてきん)とは、特定の費用や損失に備えるため、あらかじめ当期の費用として繰り入れて準備しておく見積金額のことです。

具体的には、将来の退職者への退職給付引当金や、取り立て不能な売掛金などの貸倒引当金が該当します。商品券回収損失引当金など、使われないポイント発行額もその1つです。

企業のポイント発行額は、2020年度に1兆円を超える見込みです。(野村総合研究所)

ポイント発行会社は、販売促進費などとしてポイントが使われると費用に計上します。未使用ポイントについては、引当金として将来使われることに備えて、負債に積んでいくのが一般的です。

例えばセゾンの「永久不滅ポイント」の場合、文字通りポイントの有効期限がありません。ポイントが使われない限りセゾン社は引当金を積み続けていきます。結果、バランスシートの負債に積み上がった引当金は1,000億円を超えています。(2017年末)

・決算関連資料|IR情報|クレディセゾン 企業・IR情報

売り上げに結びつかない「眠れるポイント」が負債に積み上がるのは、財務諸表上、非効率と指摘されることがあります。

ポイント投資サービスについては、運用を始めた人の40%弱が初めてポイントを使った会員ということからも、眠れるポイントの発行額の大きさが容易に想像できます。

投資に踏み出せない人も、おまけのポイントだと始めやすいのでしょう。


少額投資は、少額のまま続けても効果が薄いのでは


ポイント投資を含めて少額から投資できるサービスは、投資を始めるきっかけとしてはありだと思います。一方で投資する目的(どれくらいお金を増やしたいか)にもよりますが、少額投資は、少額のまま続けても効果が薄いのではないでしょうか。

例えば毎月3,000円ずつ積み立てても年間36,000円、10年で36万円にしかなりません。もちろんこの36万円は増えたわけではなく自分が用意した投資元本です。その元本から年数%が増えたり、減ったりします。つまり元本が大きければ増減の金額が大きくなります。

自分のお金が増えたり減ったりする投資に慣れるために、許容範囲内の少額から投資を始めるのであって、投資する目的に応じて徐々にその投資額を増やしていくことがお薦めです。もちろん増える金額の分、その同額もしくはそれ以上の金額が減る場合もあります。