2018年4月9日月曜日

「難しいことを難しいまま言うやつ、あれ、馬鹿だよね」


こんにちは。ひとりです。

日経平均株価の終値は9日、前週末比110円74銭(0.51%)高の2万1678円26銭でした。私の持ち株の評価損益比率は 0.12%です。

米中貿易摩擦への警戒感が後退したようで、また景気動向の影響で業績が左右されにくい花王や資生堂などのディフェンシブ銘柄には、国内外から買いが入りました。


新入社員向けの財務講座が日経新聞で連載


「新入社員のための財務講座」が4月4日~7日まで、日経新聞の朝刊で4回に渡って連載されていました。

株式投資をする上では時に、企業の決算書に目を通すことが必要かと思います。決算書は企業の成績表であり、客観的な数字情報が得られます。

新入社員のための財務講座
  1. 利益は5段階 ― 純利益は最終的なもうけ
  2. 貸借対照表 ― 自己資本比率高いと安心
  3. ROE ― 企業の総合力、投資家が重視
  4. キャッシュフロー ― お金の出入り示す「家計簿」

記事は、初めて決算書に触れる方にも分かりやすく書かれています。また日経電子版では、下記のように実際の個別企業の数字を使って、より実践的に紹介されています。
  1. 損益計算書/新日鉄住金とJFEホールディングス
  2. 賃貸対照表/キャノンとリコー
  3. ROE/スタートトゥデイと三越伊勢丹HD
  4. キャッシュフロー計算書/武田薬品工業とアステラス製薬


ゾゾタウンと三越伊勢丹の儲かり具合を比較


ROEは、株主としての投資効率を測る評価指標です。株主が拠出した自己資本を用いて、企業がどれだけの利益をあげたかがROEから見えます。

※ ROE(自己資本利益率、Return On Equity)

東証1部企業では例えば、衣料品通販サイトの「ゾゾタウン」を手がけるスタートトゥデイのROEが最も高く 72.7%に達しています。(2017年3月期)

数字は比較して初めてその価値が見えるもので、実店舗を構える三越伊勢丹HDのROEは 2.6%に留まっています。売上高に対して、人件費を始めとする負担が大きいからです。そのため、売上高純利益率は 1.2%と低いです。

また店舗の立地条件もROEの低さの要因です。東京都心の1等地に店舗を構えるため、純資産が大きくなり、純資産回転率は 1倍に留まっています。

スタートトゥデイの売上高は 763億円で、三越伊勢丹HDは 1兆2534億円と事業規模では大きな差があります。しかし株の時価総額は逆で、今年3月末時点では、スタートトゥデイの8856億円に対して、三越伊勢丹HDは4641億円です。

利益率の低迷がROEの低さであり、市場(株価)での評価の違いを見るには、規模よりも儲ける力を重視するROEを比較すると分かりやすいです。

ROE(%)= 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
ROE(%)= 売上高純利益率 × 総資本(資産)回転率 × 財務レバレッジ

ROEの表記、算出方法は、書類により異なります。
  • 「自己資本利益率」(期末自己資本で算出)が使われるのは … 有価証券報告書等(決算の3カ月以上後に発表) 
  • 「自己資本当期純利益率」(期首と期末の自己資本の平均値で算出)が使われるのは … 決算短信(決算後、1~2カ月で発表、速報)

また「JPX日経インデックス400」(2014年1月開始)では、投資家にとって魅力の高い企業(自己資金で利益をあげた企業)を組み入れるために、銘柄選定にROEを用いています。


「難しいことを難しいまま言うやつ、あれ、馬鹿だよね」


日経新聞や日経産業新聞では不定期にこのような連載があり、そこから投資のヒントや視点が生まれることがあります。特に新入社員を意識した企画がこの時期は多く、難しいことを平易な言葉で分かりやすく解説されているのが良いです。

経済に限らず、ものを分かりやすく伝えるには、伝える側の理解度と工夫が試されます。

「難しいことを難しいまま言うやつ、あれ、馬鹿だよね」
タレントのタモリさんが言い得て妙です。