2018年1月6日土曜日

健康格差。低所得者の死亡率は、高所得者のおよそ3倍


こんにちは。ひとりです。

購入した本として以前紹介した一冊、感想と合わせて内容の一部を紹介します。


健康格差 あなたの寿命は社会が決める
著者名:NHKスペシャル取材班
出版社:講談社

興味深い内容で、日々の生活を見直すきっかけにもなりました。


低所得者の死亡率は、高所得者のおよそ3倍。


健康格差を生み出す背景にはWHO(世界保健機関)が指摘する通り、「所得」「地域」「雇用形態」「家族構成」の4つが深く関わっています。

特に食事にどれだけお金を払えるか、払ってもいいかと思える経済力の違いが生む健康リスクは大きいです。また手軽で安価な炭水化物(牛丼やハンバーガー、菓子パンやインスタントラーメン)がもたらす貧困世帯の子どもの肥満など、健康格差が世代を超えて連鎖する懸念も生まれています。

以下本の概要と目次です。

低所得の人の死亡率は、高所得の人のおよそ3倍―。
「健康格差」は、健康に対する自己管理能力の低さが原因ではなく、生まれ育った家庭環境や地域、就いた職業や所得などが原因で生じた、病気のリスクや寿命など、私たち個人の健康状態に気づかぬうちに格差が生まれてしまうことを指します。 
私たちは不健康・不摂生な人々に対して安易に「自己責任論」を振りかざしてしまいがちですが、現在ひそかに進行しているのは、所得や家庭環境などにより自らの健康を維持する最低限の条件すら蝕まれつつあるという異常事態です。
私たちが「健康格差」に無関心ではいられないのは、膨張する社会保障費への対策は喫緊の課題だからです。そして、私たちの誰もが健康を損なう事態になりかねないからです。  

  • 第1章 すべての世代に迫る「健康格差」
  • 第2章 秋田県男性が短命な「意外な理由」
  • 第3章 イギリスの国家的対策と足立区の挑戦
  • 第4章 「健康格差」解消の鍵は?
  • 第5章 白熱討論! 「健康格差」は自己責任か
  • 第6章 拡大する日本人の「命の格差」



「健康格差」は自己責任か否か。背景にある不公平感


下記の(1)と(2)、社会保障に対する負担額と再分配の不公平感が「健康=自己責任論」の根源にあるのではないか、この意見に共感しました。
  • 1)病気にならないように普段から食生活、運動に気を配って健康を維持している人
  • 2)不摂生な生活を顧みずに病気になり、税金が元となる多額の医療費を使う人

社会の不平等が健康の不平等に、ひいては命の不平等につながることは否定できません。

病気にならないのが1番ですが、いくら気を使っても避けられないことがあります。その万一のための社会保障であり、税金負担です。一方で自身の怠慢から防げた病気に高額の医療費が使われる、健康を維持している人側の不満はもっともです。つまり自分の払ったお金を自分以外に使われる不公平感を指摘したものです。

健康=自己責任と、つい言いたくなりますが一方でそうとは言い切れない現実もあります。以前投稿した記事がそうです。


“働くほどデブになる”。環境が健康に与える影響


誰もが健康でいたいと願っているはずなのに、懸命に働けば働くほど、そこから遠ざかっていく。仕事に追われる私たちの日常は、職業や勤務時間、役職、扱う商品、付き合う人々など、個人では避けられない仕事上の都合によってつくられている。なのに、肥満やその先にある生活習慣病を、一社員の不摂生のせいだけにしていいのだろうか。いや、これらは職業習慣病といえるのではないか。

2017/12/13
“働くほどデブになる” 健康診断の結果から健康経営へ

こんな内容を以前、投稿しました。経済面、健康面を含めて良い生活を送りたいのに“働くほどデブになる”、つまり不健康になってしまうことを紹介した記事です。個人の健康問題が会社の生産性に、ひいては国の医療費にまで影響を及ぼしかねません。


それでも健康は自己管理。まずできる範囲のことを


医療費や生産性など、いろいろな角度から健康問題が議論されていますが、それでも健康の基本は自己管理だと思います。食生活、運動の見直しからできる範囲でのことです。本の内容も参考に以下、私が健康を維持するためにできることを食生活、運動面から書き出してみました。

1)食生活
・夕食は控えめ、腹三分目に
・野菜、食物繊維不足を補う
・塩分摂取量を減らす

塩分のとり過ぎは、秋田県男性が短命な「意外な理由」(第2章)でも指摘されている内容であり、食習慣が平均寿命の差を生み出します。塩分のとり過ぎは特に、胃がん発症リスクを高める要因としても警告されています。

減塩を進めようと、秋田県健康推進課では「秋田県の中高年男性に告ぐ! 減塩六つの戒め」というポスターを作っています。


  • 一、何さでも、醤油かげるな!
  • 二、麺類の汁は飲むな! のごへ!
  • 三、汁物は一日一杯、具いっぺ入れでけ!
  • 四、ソースはかげるな! つけでけ!
  • 五、しょっぺものばりさ、手ぇ出すな!
  • 六 おめのための味付けだ! 文句つけるな!


2)運動
・自転車通勤(天候がよければ毎日)
・平日早朝、夕食後の散歩習慣
・週末早朝のランニング、夕食後の散歩習慣

何事も健康あってのものです。


※ 追記(2019/06/12)

2018/10/16
広がる自転車保険の義務化。私はクレカの個人賠償責任で十分
自転車保険への加入を義務化する地域が増えています。自転車利用者が歩行者にけがを負わせて、高額賠償を請求されるケースが全国で話題に挙がるなど、保険が必要という意識が高まっているのがその理由でしょうか。