2018年2月24日土曜日

ホワイト企業が持つ、取引先に対するブラックな一面


こんにちは。ひとりです。

新聞やビジネス誌をめくると大小問わず「働き方」に関連する記事が掲載されています。それは例えば生産性の向上や機械による自動化、またスキルアップを目的にした記事です。私が取り組んでいる中小企業診断士試験の中にも、生産性向上のための知識や考え方が求められます。


改善の4原則。生産性向上は、ECRSの検討から


生産性を向上させる方法の1つに「改善の4原則(ECRSの原則)」があります。仕事上の工程や作業、動作を4つの視点から見直すことで改善が図れないかを問うものです。

具体的には、
1)Eliminate(E):排除
ある作業を省くことができないかどうかを問うています。

2)Combine(C):結合
ある作業をほかの作業と合わせてできないかどうかを問うています。

3)Rearrange(R):交換
ある作業を順序変更することで効率が良くならないかどうかを問うています。

4)Simplify(S):簡素化
ある作業を簡単に、単純化して時間の短縮や作業の間違いが起こりにくくできないかどうかを問うています。

改善の4原則は、ここに挙げたE(排除)、C(結合)、R(交換)、S(簡素化)の順番に普段の仕事を検討します。


改善の種類は2つ。自分がするものか、相手に求めるものか


仕事の改善には2種類あります。自分ができるものか、それとも相手の協力(配慮)がいるものかです。自分ができるものならば、どんどん進めていけば良いと思います。一方で相手の協力がいるものは、なかなか思うようにはいきません。

例えばそれが社外(取引先)の協力がいるものだったらどうでしょうか。それが短期のスケジュールであったり、内容が曖昧な雑な仕事の依頼だったりすれば、効率改善以前の問題です。

取引先の仕事効率を考慮しない会社はブラック企業でしょうか。恐らく自社の仕事も同様に効率良く回っていないのではと推測できます。そこから生まれる無駄な作業と無駄な時間。とどのつまり、それが長時間労働(拘束)につながります。

ここで改めて、取引先の仕事効率を考慮しない会社はブラック企業“だけ”でしょうか。私はブラック企業と同様に、外面の良いホワイト企業にもそれはいえると思います。


ホワイト企業なら取引先にも“ホワイト”な対応を


ホワイト企業大賞の表彰が今年1月、東京都内のホテルでありました。ホワイト企業は世間では「社員の幸せと働きがい、社会への貢献を大切にしている企業」だそうです。

社員が生き生き働くそんな会社を顕彰しようとソニーOBの土井利忠さんが、ホワイト企業大賞を設けて普及、啓発する運動に取り組んでいます。

私が持つホワイト企業のイメージは、その会社の社員ならば働きやすそうです。つまりホワイト企業といわれる会社は、取引先に対しても“ホワイト”な対応をしているかどうかです。

ホワイト企業は、自社社員の働きやすさを優先(世間にアピール)するあまり、取引先の社員が犠牲になっていないかどうかです。自社社員には残業をさせないが、取引先には短期スケジュールを求めることもその1つかも知れません。

ホワイト企業に入るのは良いが、ホワイト企業との取引には十分に注意することです。世間一般のホワイト企業のイメージを鵜呑みにして取引すると、働き方改革、仕事効率とは無縁の働き方が待っています。

ホワイト企業を選出、表彰するならば世間一般のイメージも大切ですが、その取引先企業の社員から匿名意見も取り入れたほうが良いと思います。