こんにちは。ひとりです。
「スキルマトリックス」を株主総会の招集通知に掲載する企業が増えています。例えば資生堂やキリンホールディングス、電通グループなどがそうです。
- 資生堂
- キリンホールディングス
- 電通グループ
スキルマトリックスは、取締役候補の名前とその専門知識や経験が交差するように配置された表です。財務・会計やM&A、法務・リスクマネジメントなど、会社が取締役候補に期待する、求める能力が一覧できる仕組みです。
ある能力に明るい人材ばかりを集めても経営は上手くいきません。能力や知識の分散が企業内で適切に行われているのかが問われます。
能力の掛け合わせで、需要と価値を高める
上記の3社は業種が異なります。スキルマトリックスに挙げられる能力を比べると、どんな知識や経験が今、その企業に求められているのかが見て取れます。
例えば各社に共通して挙げられている項目、必要とされているが身につけている人が少ない項目などは、人と差別化を図るのに必要な能力だと判断できます。
キリンならブランド価値の引き上げを、電通なら組織、人材の適正化でしょうか。
スキルマトリックスは何も企業だけのものではありません。個人が例えば職務経歴書に掲載することで、自分が提供できる能力と、企業が求める能力とマッチングが図りやすくなることも考えられます。
スキルマトリックスの項目を列挙してみます。
- グルーバル経営・事業戦略
- ブランド戦略・マーケティング・業界経験
- 技術・イノベーション
- 環境・社会・ガバナンス(ESG)
- サステナビリティ(CSR)
- 法務・コンプライアンス・リスクマネジメント
- 財務・会計・M&A
- 人事・労務・人材開発
- サプライチェーン・マネジメント(SCM)
- 海外事業
能力単独ではなく、能力同士をかけ合わせて考えることも重宝されるでしょう。例えば「財務・会計」と「リスクマネジメント」、「人事・労務・人材開発」と「法務・コンプライアンス」などがそうです。
1つの能力を持つ人は多数存在するなかで、能力の掛け合わせをすることで人数が絞られます。人数が絞られるということは、できる人が少ないということ。そこには需要と価値が生まれます。
社員の能力を把握できるサービスに「カオナビ」がありますが、これもスキルマトリックスと目的は同じでしょう。
・社員なら「カオナビ」
カオナビ|製品情報|【シェアNo.1】顔写真が並ぶ、クラウド人材管理システム
各社のウェブサイトとスキルマトリックスの掲載ページです。
・資生堂
株主総会情報 | 投資家情報 | 資生堂 企業情報
第120回定時株主総会 招集ご通知(P.13、P.14)
取締役・監査役に求めるスキルセット(取締役会メンバーのスキルマトリックス)
・キリンホールディングス
株主総会 当年定時株主総会 | 株式関連情報 | IR・投資家情報 | キリンホールディングス
第181回定時株主総会招集ご通知(P.7)
取締役候補者及び執行役員の専門性と経験(スキルマトリックス)
・電通グループ
株主総会 – 株式会社電通グループ
第171回 定時株主総会招集ご通知(P.23、P.24)
取締役のスキルについて