2019年10月27日日曜日

お小遣いに定率性を。子どもの金融知識を向上させるために


こんばんは。ひとりです。

「小学生からの投資教育」と題した記事が27日、日経ヴェリタスの最新号に掲載されています。

諸外国と比較しても低い日本人の金融リテラシーの底上げを狙って、証券会社や取引所がこぞって小学生向けの出前授業を開催している様子があります。

教師自身の金融リテラシーの有無が問われるなかで、証券会社や取引所の専門職員が行う授業は魅力的です。

もちろん私が小学生の頃にはこのような取り組みはなく、羨ましい限りです。ただ専門家の派遣はきっかけに過ぎず、興味をもった学生の、その先の学び支援もあれば最適です。

学校での取り組みが進むなかで、家庭での金融教育はというと……。保護者の職業、金融リテラシーの影響を子どもが直に受ける、金融教育の格差の広がりが容易に想像できます。


子どもの小遣いに定率性を取り入れてみると


家庭でお金を話題にするとなると、一番手っ取り早いのが親の収入と子どもの小遣い、また子どもが社会人になるまでに必要な教育資金でしょうか。もう一つ加えるなら、子どもが社会人になってから稼げる額についても大切です。

ここではそのなかで子どもの小遣いについて取り上げます。

子どもの小遣いは毎月、いくら渡すのが適当か。もしくは毎月渡すのではなく、必要なときだけにするのか。私は毎月渡すのが良いと思います。ただ毎月定額の小遣いではなく、子どもが保有する貯金のなかの2%もしくは3%と、定率で渡す方法です。

具体的には、子どもの専用口座をネット銀行で開設します。この口座には子どもが得たお金だけを預けます。例えばお年玉や親から与える毎月振り込む小遣いです。

ここに振り込んだ小遣いは、全額を子どもに渡すとある分全てを使ってしまう恐れがあるため、使っても良い分だけを別に手渡しで子どもに与えます。

では具体的な小遣いについて。

例えば小学生の高学年。年始のお年玉に25,000円をもらったとします。これはもちろん専用の銀行口座に預け入れます。さらに毎月1,000円の小遣いを親が銀行口座に振り込むとします。

1月は26,000円が銀行口座に預けられています。ここから子どもに渡す小遣いを引き落とします。ここで定率引き落としです。

  • 保有額26,000円 × 2% = 520円
1月は520円を小遣いとします。また銀行残高は25,480円です。

2月の銀行口座の残高は26,480円です。銀行の残高に、親からの小遣い1,000円を足したものです。

  • 保有額26,480円 × 2% = 530円(小数点四捨五入)
2月は530円を小遣いとします。また銀行残高は25,950円です。

この計算でいくと年間の小遣いは、6,833円になります。親から銀行口座に振り込む小遣い12,000円(1,000 × 12ヶ月)から差し引いても5,167円の貯金ができます。


時間が経つほど、学年、年齢が上がるほど銀行の保有額が増えるため、同じ定率をかけ合わせても小遣いが増える仕組みです。

人はだんだん良くなる方を好みます(上昇選好)。それは年齢を問わず同じです。微額ですが毎月小遣いが増えていくことを嫌がる子どもはいません。

もちろん子どもには最初に仕組みを説明して、納得させることが必要です。これも金融リテラシーの一つです。

ただ銀行残高が49,000円で毎月親から振り込まれる小遣いが1,000円のままだと、小遣いの上昇選好効果が得られません。子どもが受け取る小遣いが毎月、1,000円のまま固定されてしまうからです。


さらに銀行残高が50,000円以上になると、子どもが受け取る小遣いが毎月減っていく格好になります。


もちろんお年玉や臨時収入があれば銀行口座の残高が増えるため、得られる小遣いの額は年々増えますが、その年内の増減額、1月と12月を比較すると減る格好です。

そこは子どもの年齢に合わせて親から毎月銀行に振り込む小遣いの額を、例えば1,500円に増やすことで解消できます。


子どもの小遣いを話題にしましたが、結婚後の夫や妻の小遣い制度にも定率引き落としが利用できるかも知れません。