2021年1月23日土曜日

TOPIX(トピックス)。3市場体制へ移行すると指数連動は


こんばんは。ひとりです。

東京証券取引所が2022年4月、3市場体制へ移行します。東証1部や2部、ジャスダック(スタンダード、グロース)、マザーズなど4市場を廃止します。

現在の体制。括弧内の社数は2020年末時点
  • 東証1部(2187社)
  • 東証2部(476)
  • ジャスダック(705)… スタンダード(668)、グロース(37)
  • マザーズ(347)

3市場体制(2022年4月〜)
  • プライム … 東証1部から移行
  • スタンダード … 東証1部、2部、ジャスダック スタンダードから移行
  • グロース … ジャスダック グロース、マザーズから移行

各市場の上場基準は、流通時価総額、流通株比率、利益基準です。流通時価総額はプライムは100億円以上、スタンダードは10億円以上、グロースは5億円以上です。流通株比率は、プライムは35%以上、スタンダード、グロースは25%以上です。また利益基準(直近2年合計の経常利益)はプライムが25億円以上、スタンダードが1億円以上、グロースには利益基準がありません。まとめると下記のようになります。

  • プライム … 東証1部から移行。流通時価総額が100億円以上で、流通株比率が35%以上、直近2年合計の経常利益が25億円以上の銘柄
  • スタンダード … 東証1部、2部、ジャスダック スタンダードから移行。流通時価総額が10億円以上で、流通株比率が25%以上、直近2年合計の経常利益が1億円以上の銘柄
  • グロース … ジャスダック グロース、マザーズから移行。流通時価総額が5億円以上で、流通株比率が25%以上の銘柄。利益基準はなし

その他にガバナンス(企業統治)の基準がより厳しくなるなど、投資家にとっては歓迎できる変更点もあります。


2000社を超える東証1部には、100億円未満企業も多い


上場数が2000社を超える東証1部市場には、時価総額がプライムの上場基準である100億円を下回る(未満)企業が少なくありません。Yahoo! ファイナンスの株式ランキング(東証1部)で検索すると、38ページ以降が該当します。(2021年1月23日時点)


ただ、「流通株式」の時価総額となると多少変動がありますが、「流通株式」の時価総額は市場全体で見れば大きな問題ではなく、個人投資家が気を留めることもないでしょう。流通株式の定義は、オーナーや親会社といった大株主だけでなく、小口の持ち合い株も除外されます。

またいったん除外対象となっても2023年10月までに時価総額が100億円を超えればプライム市場に区分されてTOPIX(トピックス)の算出対象に加わることができます。


3市場体制で、TOPIX(トピックス)の扱いはどうなる?


市場体制が移行するにあたって気になるのが指数に連動する商品の取り扱いです。例えばTOPIX(トピックス、Tokyo Stock Price Index)。1部上場全銘柄を対象に算出する株価指数のことです。1968年1月4日の時価総額を100として、時価総額が現時点でどのくらい増減したかを表しています。

プライム市場とTOPIXをいったん切り離して移行期間を設けることが発表されています。1部市場からプライム市場への移行が2022年4月に行われるのに対して、TOPIXの算出対象入れ替えは同年10月〜2025年1月まで四半期ごと、10回に分けて行われる予定です。売りが一度に出ると受給が大幅に悪化するからです。

私は日本市場への投資を今後減らしていこうと行動中です。ただ3市場体制の変化(株価の上昇)を期待する意味で、TOPIX指数に連動するETF(上場投資信託)へのつみたて投資を今から始めても良いかもしれません。

例えば、MAXIS トピックス上場投信(1348)。信託報酬は0.0858%(税込み)と同社の投資信託eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)の0.154%(税込み)よりも割安で、長期投資にはこの点で向いています。後は、成績がついてくるかどうかです。




2019/03/25
東京証券取引所の市場区分見直しが、2020年4月以降に予定されています。1部上場会社をふるいにかけて、その数を減らそうというものです。