日本証券アナリスト協会では「証券アナリストによるディスクロージャー優良企業選定」制度を設けています。(1995年から毎年実施)
今年の優良企業が選定されていますのでご紹介します。
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日経新聞広告(2020年10月15日) |
ディスクロージャーとは、企業が株主や債権者に対して経営内容などの情報を開示することです。法令諸規則に基づいて開示される財務諸表や有価証券報告書、アニュアルレポートがそれで、日本には金融商品取引法で規定されているものと、会社法で規定されているものとがあります。
日本証券アナリスト協会のディスクロージャー優良企業選定にあたっての評価基準は5つです。
- 経営陣のIR姿勢、IR部門の機能、IRの基本スタンス
- 説明会、インタビュー、説明資料等における開示
- フェア・ディスクロージャー
- コーポレート・ガバナンスに関連する情報の開示
- 各業種の状況に即した自主的な情報開示
私が保有する“恥株”キヤノンは「電気・精密機器」部門の審査対象企業です。評価対象企業は23社あり、結果は最下位(23位)です。
評価基準ごとの順位を確認します。なるほど、現在の株価水準に比例する酷い有様です。
- 経営陣のIR姿勢、IR部門の機能、IRの基本スタンス(23位、最下位)
- 説明会、インタビュー、説明資料等における開示(19位)
- フェア・ディスクロージャー(16位)
- コーポレート・ガバナンスに関連する情報の開示(23位、最下位)
- 各業種の状況に即した自主的な情報開示(23位、最下位)
評価基準5つの内、3つで最下位です。ちなみに前回の順位は19位(審査対象企業23社)でした。
「精密機器」部門に絞ると評価対象企業は9社となりますが、もちろん最下位(9位)です。
- 経営陣のIR姿勢、IR部門の機能、IRの基本スタンス(9位、最下位)
- 説明会、インタビュー、説明資料等における開示(9位、最下位)
- フェア・ディスクロージャー(9位、最下位)
- コーポレート・ガバナンスに関連する情報の開示(9位、最下位)
- 各業種の状況に即した自主的な情報開示(9位、最下位)
ちなみに前回の順位も最下位(審査対象企業9社)です。経営陣のIRに対する考え方、IR部門が機能していないことがよく分かります。早々に経営陣の意識改革、入れ替えが必要です。株価軟調の原因の一つがここに見えます。