上場企業の4〜9月期の決算発表が終盤を迎えています。その決算発表時に、2021年3月期の純利益見通しを上方修正する企業が3割を超えているといいます。
上方修正が多いのは、下期に大きな回復を見込んでいるという証で、現に株式市場では企業の業績回復を見込んだ上昇が続いています。下落続きの私の持ち株ですら、3月以降の高値を付けるのですから。ただそれも一時のことで、他社の上方修正に“便乗”した値上がりです。下落の兆候がすでに見え始めています。
![]() |
2020/11/12 |
純利益は投資家が最も重視する数字
純利益とは、売上から製造や販売にかかった費用、税金などを差し引いた企業の最終的な儲けのことです。本業で稼いだ営業利益とは別に、企業の収益力を示す数字として投資家がもっとも重視するものです。
- 営業利益 … 本業の儲けを示す
- 経常利益 … 営業利益から利息、金利など本業以外の損益を加味する
- 純利益 … 経常利益から特別損益を足し引きし、利益に応じた法人税を差し引いた残りで、配当の原資になる
資生堂の損益計算書(第3四半期決算短、2020/11/10)を見ると、特別損失に「新型コロナウイルス感染症による損失」として18,119百万円(181億1900万円)が計上されています。
![]() |
資生堂 第3四半期決算短信 |
企業の純利益だけを抜き出して見ると味気ないですが、純利益を出す(儲ける)までの流れを財務3表と時間軸を掛け合わせて見ると、儲けの仕組みに興味がわきます。

全ての企業はお金を集めて、投資して、利益を上げるという3つの活動の上に成り立っています。社会貢献などはその次にくるもので、まずは儲けなければ行動できません。
※ 追記(2020/11/13)
本を読んでいます。
- ドラえもん 国語力をきたえるカタカナ語
- ビジョナリーカンパニー(3)衰退の5段階



私が保有する“恥株”キヤノンは、この衰退の5段階のどこに今位置するのでしょうか。
- 成功から生まれる傲慢
- 規律なき拡大路線
- リスクと問題の否認
- 一発逆転策の追求
- 屈服と凡庸な企業への転落か消滅
新型コロナウイルスという変革者は想定外の早さで感染を広げ、時代を根本から変えようと暴れ回ります。製品の品質、性能を少しずつ高めていけば優位性を保て、産業秩序も揺るがないという既存企業優位な考え方が通じないと分かりました。キヤノンは失いつつある企業価値をどのような形で取り戻すのでしょうか。