2019年12月14日土曜日

雰囲気で上がる株価に惑わされないために。財務指標を解く


こんにちは。ひとりです。

世界株指数が軒並み最高値を更新する中で、日経平均株価は13日、2万4023円と年初来高値を付けています。一方で実体経済と株価の乖離に注目する記事が増えています。

業績の回復や好調さを伴う株価の上昇と、世界的な金融緩和に持ち上げられた株価の上昇。投資銘柄を選別する際にはやはり、企業が公表する数字を読み解くのが一番かもしれません。

事業継続の判断基準に財務指標を導入する企業の例が、今週の新聞記事に取り挙げられています。

下記2指標の基準値が目安とされ、それに届かない事業は売却や撤退を含めた立て直しを検討するとのこと。

  • 総資産利益率 6%(ROA、Return on Assets)
  • 総資産回転率 1倍

ROAは各事業の純利益を関連資産額で除したもの。総資産回転率は、売上高を総資産で除したものです。

  • ROA = 純利益 ÷ 総資産
  • 総資産回転率 = 売上高 ÷ 総資産

いずれも保有する資産を効率的に使っているかを測るもので、ROAは利益を、総資産回転率は売上高が基準です。

例えばROAは、分子の純利益を増やせば改善します。不要な資産を売却して、分母の総資産をスリム化すれば資産効率が高まります。

ROAは収益性と効率性の総合指標で、企業経営者の目線や感覚に合うのが特徴です。

ROAと並べて重視されるのがROEです。その関係は下記の図表のようになります。


ROAが全ての資産を使ってどれだけ儲けたかを見るのに対して、ROEは株主のお金を使ってどれだけ儲けたかを見ます。

これらの指標は、企業を経営する側はもちろんですが、投資する側も見逃すわけにはいきません。特に最近の、雰囲気で株価が上下する場面では尚更です。