2020年8月18日火曜日

キヤノン。持っていることを隠したくなる“恥銘柄”の代表格


私が保有する銘柄の1つにキャノンがあります。コロナ以前からその株価は下落を続けていますが、年始からの下げ幅には酷いものがあります。

月足の時系列を見ると、2019年12月〜2020年7月まで8ヶ月連続の下落です。下落が始まった2019年12月に買った場合、その騰落率は現在まで-55.1%です。

個人投資家として持っていることを隠したくなる、“恥銘柄”の代表格です。ではなぜ、キャノンの株価はここまで売られる(買われない)のか。

業績の悪化はもちろんですが、私は経営陣の衰えと、それに伴う期待感の欠如にあると思います。

日経CNBC

株は期待から買われるものですが、キヤノンにはそれがありません。事業、業績はもちろん、経営陣の顔ぶれにもです。つまり成長期待が持てないということです。

日経CNBC

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そしてここにきて90歳弱の御手洗氏の再登板とくれば、買われないのも当然です。企業体質の新陳代謝が悪いのが、外部からでもあからさまに見えます。“居座り”という言葉が真っ先に浮かびます。

減配は業績の推移を見れば至極当然ですが、高配当維持という縛らみのせいか、決断の遅さが目立ちます。配当性向は2019年12月時点で、利益を大きく上回る136%でした。

株価の下落はコロナ以前の事業構造、経営陣の問題で、コロナはそんなキヤノンの背中にちょっと触れただけ。あっという間に転落してしまいました。よほど端っこに追いやられていたのでしょう。

2019年の連続下方修正はその最たるもので、毎度繰り返される業績予想の精度の低さに辟易します。

日経CNBC

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ESG(環境、社会、企業統治)がここにきて注目されていますが、キャノンに当てはめるとそれは「あきれ顔」「冷笑」「うめき声」の頭文字がぴったりです。

キヤノンのESG
  • eye-roll「あきれ顔」
  • sneer「冷笑」
  • groan「うめき声」

こんな株価になるまで保有し続けていることが、私の投資下手の証でもあります。キヤノンは今日も凝りもせず、3%弱下げています。

4000円とまでは言わずとも、3500円程度まで戻るのは何時になることやら。まずは2000円復帰でしょうか。なんとも程度の低い話です。


※ 追記(2020/09/01)

株価の下落が止まりません。年足は40%安を超えました。

2016年度に掲げた中長期経営計画「PhaseV」。そこには、「戦略的大転換を果たし、新たなる成長に挑戦する」とあります。

精度の低い希望的観測はもう良いとして、戦略的大転換に失敗し、新たな成長が見込めない現状を踏まえたうえで、計画の中身を改めて確認するとできもしない耳障りの良い言葉が並ぶばかりです。

決してコロナの影響だけでは済まされない惨状です。 現在の中長期経営計画は2020年度まで。次期は手始めに経営陣の総若返りが求められるところです。