2022年5月12日木曜日

ESG投資は儲からない。ウクライナ危機でエネルギー関連優勢


こんにちは。ひとりです。

日米株式市場の下落が止まりません。保有する米国ETFはここまで、何とか円安の為替差益で救われていましたが、その効果も残りわずか。含み益がどんどんと削られていきます。

例えば全米株式に投資するVTIの含み益は現在、12.53%です。

外貨建評価損益 12.53%

この調子だと含み損に転換するのはそう遠くなさそうです。


ESG投資はやはり儲からないのか


あるETFを先日、薄利確定しました。S&P 500 ESG指数に連動する商品です。

  • (2635)NF・米国株S&P500 ESG ETF

ESG(環境、社会、企業統治)投資は流行りテーマの一つで、ESGと商品名に冠するだけでブランド化し、信託報酬を通常の商品よりも上げられるというものです。事実は異なりますが、私は経験からそのように解釈しています。

例えば、野村アセットには他に(2633)NF・⽶国株S&P500ヘッジ無ETFがあります。

  • (2633)NF・⽶国株S&P500ヘッジ無ETF

簡単に言えばS&P500をESG指数で選別(310社)しているか、選別していない(500社)かというもの。ESG指数に照らして数を減らすだけで、信託報酬は倍になります。

  • (2635)NF・米国株S&P500 ESG ETF … 0.1430%
  • (2633)NF・⽶国株S&P500ヘッジ無ETF … 0.0770%

投資成績が、信託報酬の高低で差が付けば投資判断は楽ですが、そうでないのが悩ましいところ。ただこれはESG投資に限ったことではありません。

運用業界の中では、ESG投資の取り組みを誇張する動きが後を絶たず、それらは「グリーンウォッシュ」として問題になっています。

日本を含め、世界の運用業界はこのESG投資でお金を引き寄せてきましたが、運用成績はやはり事実が投影され、直近は市場平均を下回ります。テーマ投資は運用成績が外部環境に左右されやすく、それはESGにも当てはまります。


ESG銘柄の大半はテクノロジー銘柄


具体例を挙げると、MSCI米国ESGリーダーズ指数は昨年比で15%安となり、ダウ工業30種平均の同9%安に見劣ります。

ESG銘柄の特徴として、温暖化ガス排出量の少ないテクノロジー銘柄の構成比が高く、それが昨今のインフレと金利上昇で下落圧力が強まったため下げたという理屈です。

またウクライナ危機を受けて世界はエネルギー安全保障を優先するようになりました。ESG指数は気候問題を優先した運用で、上昇率の高いエネルギー関連銘柄を避けた影響も見えます。

皮肉にもエネルギー関連銘柄比率の高いHDV(iShares Core High Dividend ETF)は、年初来4.11%と上昇しています。

私の数少ない投資経験から言うと、なにかのテーマに偏った商品への投資は回避したほうが、もしくは短期売買に徹した方が得策です。それが例えばESGであってもです。

よく考えると、ESGとわざわざ誇張せずとも時価総額の大きな企業がESGを軽んじるはずはありません。ここは全米株(VTI)やS&P500に、腰を据えて投資するほうが良いです。昨今の市場変動で改めてそう感じます。

2022年5月5日木曜日

NISAは現在3種類。一般、ジュニアの新規投資枠は23年で終了


こんばんは。ひとりです。

私が投資を始めたのは2014年からで、この年に一般NISAが始まりました。その一般NISAの新規投資枠が2023年で終了します。つまり2023年に投資した商品は2027年まで5年間保有はできますが、2024年には新たに投資できない(新規投資枠なし)ということです。ただ一般NISAの新規投資枠が2023年で終了するに伴い、新NISAが2024年から始まります。


NISAは現在3種類。ジュニアの新規投資枠は2023年で終了


一般、つみたて、ジュニアと現在3つのNISAがあります。一般NISAは上記の通り、新規投資可能期間が2023年までで以降は新NISAに衣替えし、つみたてNISAは2042年まで新規投資可能期間が延長、ジュニアNISAは新規投資可能期間が2023年で終了し、以降の代替制度はありません。

一般NISA
  • 新規投資枠が2023年で終了(23年投資分は27年まで保有可)
  • 新NISAが2024年から開始(28年まで新規投資可能)

つみたてNISA
  • 新規投資可能期間が2042年まで延長

ジュニアNISA
  • 新規投資可能期間が2023年で終了。以降の代替制度なし


新NISA。一般NISA利用者は、そのまま利用可


新NISAは、一般NISAとつみたてNISAが合わさったような仕組みで2階建てと表現されます。1階がつみたてNISA 、2階が一般NISAと考えると分かりやすいです。そのため、投資枠上限と投資商品が各階で異なります。

1階(つみたてNISA枠)
  • 上限額20万円(年間、月約1.6万円)
  • 積み立て購入、一括購入不可
  • つみたてNISA対象商品(主に投資信託)

2階(一般NISA枠)
  • 上限額102万円(年間)
  • 一括購入、積み立て購入可能
  • 一般NISA対象商品(具体的な商品は公表予定)

1階の枠でつみたて投資を始めることが、2階の枠に投資する条件になっています。ただ証券会社に事前に申請すれば、2階の枠だけを利用することができます。

その際の上限額は2階の102万円で、投資商品は個別株のみとなります。この場合、ETFやREITには投資できず、それらの商品に投資したければ1階部分でつみたて投資を始めることが条件です。私は米国ETFに投資したいので、1階でつみたて投資を始めてから2階に上がります。

新NISAへの切り替えにはまだ時間があります。詳しい情報は今後、各証券会社や新聞紙上でも案内されると思います。せっかくの優遇制度、賢く利用したいものです。

2022年5月4日水曜日

iroshizuku<色彩雫>の月夜、深海。濃淡が朝の光で映える


こんにちは。ひとりです。

立派な鯉のぼりが風になびいています。近所の幼稚園の園庭に掲げられたもので、毎年この時期の光景です。連休も半ばですが、ひとり身の私は予定も立てず、日々を過ごしています。


陶器のような乾いた音と、小ぶりなペン先


私は文房具が好きです。芯径0.9mmのシャープペンシル、プラチナ万年筆のプレスマンを最近は常用しています。税込み220円と安価ですが、使い始めてもう10年以上経ち、軸表面のプリントは消えています。

プレスマンの「P」

何本かその間、ほかの商品を利用しましたが、結局プレスマンに戻ります。

特徴として芯が太いため折れにくく、また減りにくいです。そのため芯を出すためのノックの回数が一般的な芯径0.5mmの物より少なく済むので、集中したい時に最適です。


芯はぺんてるのアインシュタイン2Bを使っています。


36本入。芯が太いせいか、ほかの芯経よりも4本少ない



ほかには万年筆を使っています。ウォーターマンのチャールストンです。

現在は廃盤

万年筆の使用歴は10年弱。初めて購入したものがこれで、それを今でも使っています。万年筆はこれ1本です。

ウォーターマンの「W」

18金のペン先。主張し過ぎず日常使いに最適


キャップを締める際に鳴る陶器のような乾いた音と、小ぶりなペン先が好みです。


複数本を所有し、インクごとに使い分ける楽しみも


「カクノ」が2013年、パイロットから発売され手に取りやすい価格で人気です。ペン先がスチールとあって、本来の万年筆の柔らかい書き味とはまた別物のようですが、複数本を所有して、インキの色で使い分けるという楽しみもあるようです。

2018/06/26
若い女性の間で万年筆が人気らしいです。国内の万年筆市場(2017年度)は46億5000万円と、2014年から2割増えています。その牽引役が若い女性です。(矢野経済研究所) 
パイロットコーポレーションは2013年、万年筆「カクノ」を発売しました。税別1,000円で、ペン先部分に顔をデザインするなど当初は小学生向けでしたが、母親世代の人気を集めました。また1人で数本をまとめ買いする人の姿もあり、インキの色を変えて使っているようです。

私はパイロットのインキ、色彩雫の「月夜」や「深海」を使っています。

透ける青色がまるで深海のようになびく

どちらも同様の青系統です。ガラス瓶を通した見た目ではその違いは見えにくいですが、朝の光に並べてかざすと濃淡の違いが映えます。

左から深海、月夜。濃淡の違いが明らか

深海は深く濃く、仕事や公共の場に提出する書類にも利用しやすいです。

インクが乾くとまた違う趣に

月夜は深海に比べると明るく、知人に宛てる知らせや日々のメモ書きに利用しています。新色の翠玉(すいぎょく)もこの時期、良いかもしれません。



私は文房具が好きで、愛用しているボールペンの1つにジェットストリーム(三菱鉛筆社)があります。その赤ペンのインクが切れたので、替芯を買いました。ジェットストリームにはペン本体の形状に合わせて4種類の替芯があるようで、よく確認もせずに購入したものが、目的のものとは違う形状の替芯でした。

2022年5月2日月曜日

iDeCo口座、2017年開設〜2022年5月までの資産残高推移


こんばんは。ひとりです。

風が薫る5月、「薫風(くんぷう)」は新緑が鮮やかなこの時期の匂うような風のことです。

今日は立春から数えて88日目、「八十八夜」です。種蒔きに適した時期ともされます。「八十八夜の別れ霜」と呼ばれるように、夏の近づきを日に日に感じます。

ガジュマルを剪定しました。



ガジュマルの生育期にあたる5月〜7月は、剪定に適した時期です。茎や葉にハサミを入れても、葉や枝がまたどんどんと伸びていきます。


穏やかな気温が続くも、市場の温度はそう言っていられない


株式市場の温度は年初から、変動が大きいです。同じ商品に長く投資しているiDeCo(イデコ)の運用成績を見ると、その状況がひと目で分かります。拠出金と資産残高の推移です。青色折れ線グラフが拠出金累計、緑色棒グラフが資産残高です。


  • 拠出金累計(青色 折れ線グラフ)
  • 資産残高(緑色 棒グラフ)

私はiDeCo口座を2017年に開設しました。拠出金累計、資産残高が2017年、2018年と変動していないのは、SBI証券内でオリジナルプランからセレクトプランに移管したためです。

2021年12月からの拠出金と資産残高の推移を確認します。


私の拠出方法は年末に一括拠出です。そのため折れ線グラフが1月に伸びています。2022年の拠出金は年末に引き落とし予定のため、1月以降の棒グラフの伸びは純粋に株価の変動を表しています。

3月に高値をつけた後は、下落を続けていますが、それでも1月、2月よりは資産が積み上がっているのが分かります。これは株価の変動だけでなく、円安による効果です。なにしろ投資先は海外指数に連動する商品ですから。

為替損益も投資成績を構成する一つですが、為替差益で投資成績が曖昧になっているのが現状です。

5月1日時点の運用成績です。



損益率は22.0%です。円安効果がどれだけ利益を押し上げていることか。2日の円相場は、1ドル130円と、前営業日に比べて約50銭の円高・ドル安です。

2022年4月30日土曜日

円安進行、為替ヘッジありETFが増加。ヘッジなしとの違いは


こんにちは。ひとりです。

円安が進んでいます。

私は米国ETFを購入するため、米ドルの外貨積立をしています。円高のタイミングを見計らって、なるべく安くドルを買いたい気持ちはありますが、株価と同じようにタイミング投資は難しいもの。

現に円安はこれ以上進まないだろうと円高になるのを待っていたら、購入のタイミングを何度も逃していたことでしょう。そこはやはり、外貨積立が便利です。


米ドル定期預金、1ヶ月だと0.350%、国内は0.002%


また積み立てた外貨を預け入れるのに外貨定期預金があります。米ドル定期預金の年利は現在、預入期間が1ヶ月だと0.350%(割る12ヶ月で、ひと月の金利は0.029%、税引き前)、預入期間が3ヶ月だと0.550%です。

国内大手銀行の定期預金金利は現在0.002%で、この金利は預入期間が1ヶ月だろうと10年間だろうと変わりません。この点も、知らない人が損する仕組みの一つです。

定期預金 金利比較(預入期間1ヶ月)
  • 米ドル 定期預金 … 0.350%
  • 円 定期預金 … 0.002%

新聞記事にたまに、外貨定期預金を勧める広告が出ています。特別金利 ○○%(1ヶ月)というように。それは預入期間1ヶ月目だけの金利であって、2ヶ月目からは通常の低い金利に戻ることが大半です。注意が必要です。


「為替ヘッジあり」商品が増えてきた。ヘッジなしとの違いは


米国を始め、海外の株式で運用する投資信託を購入する人が増えています。つみたてNISAやiDeCo口座で投資する商品にS&P500やナスダック100指数に連動する商品をあげる人も多いです。

私は日本市場に上場する、米国指数に連動の上場投資信託(ETF)に投資しています。そのETFで最近気になるのが「為替ヘッジあり」の商品が増えていることです。

為替ヘッジとは、為替相場の影響を回避(ヘッジ)することです。つまり、為替相場の影響を回避する(影響を受けない)か、為替相場の影響を受けるかという違いです。

  • 為替ヘッジなし … 為替相場の影響を受ける。為替損益が発生
  • 為替ヘッジあり … 為替相場の影響を受けない。価格変動のみ

例えば私が保有している日本市場に上場する米国指数連動のETFは、円で買えます。円で買えるETFの運用成績には、価格変動と為替相場の2つが影響します。つまり相場次第で為替損益が発生して投資成績が変わるということです。

野村ナスダック ヘッジありは今週、▲4.1%で年初来安値更新

現在の円安ではまさに、為替差益が発生している状態です。例えばナスダック100が年初来安値を更新と伝わっても、日本市場に上場するナスダック100に連動するETFの価格はそれほどひどいものではありません。それはそこに為替差益が含まれているからです。


為替ヘッジありのETFを買っていれば、為替相場の影響を受けないので(円安の恩恵を受けないので)米国同様、価格の下落が大きいということです。つまり円安の局面では為替ヘッジなしが、円高の局面では為替ヘッジありが有利ということです。

  • 為替ヘッジなし … 円安で有利
  • 為替ヘッジあり … 円高で有利


どちらに投資する、長期投資ならコスト低を選ぶのが鉄則


では為替ヘッジなし、ありのどちらの商品に投資するのが良いでしょうか。長期投資なら為替ヘッジなしを選択するのが基本です。為替ヘッジありの場合はヘッジ費用がかかり、為替ヘッジなしよりもコストが高くつきます。そのコストは信託報酬には出されない場合が多く、為替ヘッジなしと、ありのコスト差が見えにくいのが難点です。

円高になろうと、円安になろうと、投資する時期を分散していれば為替リスクを抑えられます。その点で長期投資なら、コストの安い商品を選ぶのが鉄則です。