2020年10月13日火曜日

コロナ禍で企業はどこに向かうのか。不安を和らげるIR情報


こんばんは。ひとりです。

日経平均株価の終値は13日、前日比43円09銭(0.19%)高の2万3601円78銭でした。私の持ち株の評価損益率は、同比2.25%高です。

2020/10/13

ある対面サービス銘柄を先日、薄利確定しました。同銘柄の株価は2月から4月にかけて急降下しました。

IR活動は下落直後から盛んに

買値から50%近く下落する場面がありましたが、辛抱強く保有を続けました。保有を後押ししたのが企業から高い頻度で発信されるニュースリリースを含むIR情報です。

対面サービスが制限されるなかで収益の柱をオンラインに迅速に転換し、その状況をつぶさに株主に発信していました。この企業はコロナ禍にあってどこに向かっているのか、またコロナ後の収益がイメージできる内容でした。

情報発信は地味で手間のかかる作業ではありますが、継続することで株主の不安を和らげる効果があります。株式投資は情報収集が大切であり、情報がないこと(分からないこと)が下手な売買を繰り返すことに繋がります。

同社の株価は8月以降に急回復し、一旦ここで薄利確定に至ったということです。

株価は業績修正をきっかけに急回復

売却後もしばらくは株価を追いかけようと思います。

2020年10月12日月曜日

キヤノン御手洗CEO。死ぬまでしがみ付く(2016年 動画)


こんばんは。ひとりです。

日経平均株価の終値は12日、前週末比61円00銭(0.26%)安の2万3558円69銭でした。私の持ち株の評価損益率は同比、0.65%高です。

2020/10/12

保有する“恥株”キヤノンが新安値を更新しました。これで年足は44.1%安です。1999年2月以来、およそ21年8ヶ月振りの安値水準です。東証1部で年初来高値更新銘柄は今日、77件ありました。対して年初来安値更新銘柄は5件です。 

新安値更新銘柄
  • ニコン(7731)
  • キヤノン(7751)
  • シチズン時計(7762)
  • オンワードホールディングス(8016)
  • AOKIホールディングス(8214)

業務内容をコロナ禍にあって、迅速に見直す企業が市場に評価され、そうでない企業は市場から見放される。上記企業は見放された代表格といえます。

キヤノンがTOPIX Core30から外されて、TOPIX Large70に移ることでもそれは証明されます。ちなみに日本たばこ産業(JT)、三菱地所、東日本旅客鉄道(JR東日本)もキヤノンと一緒に落とされました。

JPX マーケットニュース
新しい構成銘柄による指数の算出、公表は10月30日(金)から。


無策「何も考えてない。辞めると思った日が辞める日」


2020/10/12 10:11 日本経済新聞 電子版
新型コロナウイルス禍でのオフィス機器需要の低迷やデジタルカメラ市場の縮小で、キヤノン株を売り直す動きが出ている。

オフィス機器需要の低迷やデジタルカメラ市場の縮小は、コロナ禍で一角を現しただけで、何年も前から懸念されていたことです。

キヤノン経営陣の危機感の無さは、2016年1月27日のある取材動画にも残っています。

日刊工業ビデオニュース(2016/01/27)
キヤノン、社長に真栄田氏 − 御手洗氏は会長・CEO専任


会見後記者達の質問に応える御手洗CEO。3分58秒の動画ですが、3分30秒からの質問と回答を聞くだけで十分です。現状の悲惨な株価の原因が見えるようです。

記者「CEO職は当分続けるつもりか」
御手洗氏「何も考えてない。辞めると思った日が辞める日で、予算や決算と違って、いつどうするかというのは人間の命と全く関係ない」

「人間の命」という言葉を使っていることから、CEO職に死ぬまでしがみ付くつもりと受け取れます。無策、行き当たりばったり、市場環境の流れのままに。キヤノンの悲劇は今、始まったばかりかもしれません。

お飾り社長に2016年1月に就任し、2020年5月に退任した真栄田雅也氏の現在はといえば。真栄田氏は技術最高顧問(非常勤、報酬あり)として製品開発・生産に関する分野での指導にあたっているようです。任期は2021年3月末日までです。


キヤノンの株価は、2021年の東京オリンピック、2025年の日本国際博覧会(大阪万博)の頃に多少のリバウンドがあるかもしれません。Dead Cat Bounce(デッド・キャット・バウンス)のタイミングで手放せれば幸いです。

2020年10月8日木曜日

ANA、無給の休業制度。お金の有無が人生の選択肢を増やす


こんばんは。ひとりです。

日経平均株価の終値は8日、前日比224円25銭(0.96%)高の2万3647円07銭でした。私の持ち株の評価損益率は、同比0.39%高です。

2020/10/08


全日本空輸(ANA)が希望退職者の募集に乗り出しています。経営状況がコロナウイルスの感染拡大で悪化するなか、資金流出を抑えるためにも固定費の削減を急いでいます。なにしろ1ヶ月間に出ていくお金は600億円前後とされていますから。従業員はANAで1万5千人、ANAホールディングス(HD)は3万3千人です。ANA HDの6月末の手元資金の残高は5161億円です。現金流出がこのまま続くなら、手元資金は9ヶ月弱で底をつきます。

気になったのが無給の休業制度を設けることです。キヤリアアップに向けた活動に充てる目的としており、その期間は最大2年間です。経済的に余裕があるなら、この機会を生かさない理由はありません。

ただもちろん、経済的に余裕がある人ばかりではありません。こんな時にいつも思います。お金の有無が人生の選択肢を増やすと。2年間とは言わず、1年間でも働かずに過ごせるだけの蓄えがあれば、私ならこの機会を迷わず学びの時間に充てます。


お金があれば人生の選択肢が広がる


「投資が役立つと思う目標」が先日、新聞に紹介されていました。噛み砕くと、「株式投資で儲けたら何に使いたいか」というアンケートです。

結果を見ると、株式投資で得た利益が、子どもの進学や将来の経済支援に役立つと考える女性は9割にのぼります。考え方は男女で異なり、男性の上位は早期退職、起業、経済的自立で、一方の女性は、子どもの大学進学の支払い、子どもへの将来の経済支援、早期退職と続きます。

男性の目的
  • 早期退職
  • 起業
  • 経済的自立

女性の目的
  • 子どもの大学進学の支払い
  • 子どもへの将来の経済支援
  • 早期退職

女性が自分よりも家族のことを優先に考えて投資で儲けようとするのに対し、男性は自分の目的を叶えるために投資で儲けようとする姿がこのアンケート結果から見えます。

いずれにせよ、株式投資で儲けたお金を誰のために使おうと、お金があれば選択肢が広がることは間違いありません。もちろん株式投資に限らず、給与を計画的に貯蓄に回してきた人もそれは同じです。

2020年10月7日水曜日

東証取引中止の1日。その時、私設取引システム(PTS)は


こんにちは。ひとりです。

日経平均株価の終値は7日、前日比10円91銭(0.05%)安の2万3422円82銭でした。私の持ち株の評価損益率は、同比1.57%安です。前日の上昇分を消す下落です。

2020/10/07


東証取引中止の裏で、私設取引システム(PTS)は


東京証券取引所で1日、システム障害が発生して取引が終日停止しました。その際に注目されたのが私設取引システム(PTS、Proprietary Trading System)です。

取引所金融商品市場外取引のことで、投資家が証券取引所を経由せずに株式などを売買できるシステムです。例えばSBI証券でもPTSが利用できます。


1日のような場合、PTS市場が活況を呈することを想像して、私も同市場で指値注文を行いましたが、残念ながら約定せず。 それもそのはずで、同日のPTS市場の売買代金は100億円以下と、通常の1800億円から大きく減少していました。


どうしてPTS市場で、積極的な売買が行われなかったのか


SBI証券を始め、ネット証券の多くはスマート・オーダー・ルーティング(Smart - Order Routing)注文を取り入れています。東京証券取引所やPTSなど複数の市場から最も有利な条件で取引できる市場を自動的に選んで売買注文を出す仕組みです。同じ銘柄でもより安く、より高く売買できるようにするためです。

ただその仕組みはそもそも東京証券取引所が稼働していることが前提に設計されており、1日のような場合、SORの仕組みに不具合が生じる恐れがあったためシステムを切り離す証券会社があったようです。

そうなると、SORで注文を入れてもPTSには振り分けられず、注文時にPTSを指定して取引する必要があったようです。

PTS 注文設定
SOR 注文設定

私はSORで日頃から取引しており、たまに「X-Market」(SBI証券のPTS取引)の取引報告書が届きます。

2020年10月6日火曜日

キヤノン。日経BP ESGブランド調査で“張りぼて”が暴かれる


こんにちは。ひとりです。

今月に入って持ち株の一部が上向いています。日経平均株価の月足が1.0%高に対して、ある銘柄は6.6%高、またもう一つは11.7%高と堅調です。

ただ相変わらず愚鈍な値動きを繰り返す銘柄もあります。0.2%高のキヤノンです。今年に入ってからの月足を見ると、上昇したのは8月のひと月のみで、1勝8敗です。年足を見ると、41.4%の下落です。この状況下にあっても経営陣からの“声”は聞こえません。

その評価は株価以外にも表れつつあるようです。日経BPが企業もしくはブランド名のESG(環境・社会・企業統治)活動に対するイメージを調べた「第1回 ESGブランド調査」の結果を公表しました。

560の企業ブランドを対象に、一般の消費者やビジネスパーソンがESGの視点からどんなイメージを持っているかを聞くインターネット調査を実施。調査時期は2020年5月25日~6月30日で、約2万1000人が回答

トヨタ自動車が総合で首位となり、経営トップの企業統治(Governance、ガバナンス)に対する意識や、次世代車の開発など未来を見据えた経営姿勢が評価されています。2位はサントリーホールディングスのブランド「サントリー」でした。キヤノンは37位です。 

第1回 ESGブランド調査上位100社

ESGブランド調査は、2000年から実施される「環境ブランド調査」を改変したものです。調査対象をこれまでの「環境(Environment)」だけでなく、「社会(Social)」「企業統治(Governance)」に広げ、さらに「誠実さ(Integrity、インテグリティ)」を加えた4分野で評価されます。

キヤノンの場合、従来の「環境(Environment)」では上位に食い込めたかも知れませんが、「社会(Social)」「企業統治(Governance)」、さらに「誠実さ(integrity)」が調査対象となれば、上位には名を連ねられず、張りぼてが露見したということでしょう。かの長期政権を見る限り、「良い企業文化」が根付いているとは思えません。


2020/08/18
私が保有する銘柄の1つにキャノンがあります。コロナ以前からその株価は下落を続けていますが、年始からの下げ幅には酷いものがあります。 
ESG(環境、社会、企業統治)がここにきて注目されていますが、キャノンに当てはめるとそれは「あきれ顔」「冷笑」「うめき声」の頭文字がぴったりです。

日経CNBC