2020年11月2日月曜日

レーザーテック利益3倍も欠陥検査装置の受注急増でCCC低下


こんばんは。ひとりです。

日経平均株価の終値は11月2日、前週末比318円35銭(1.39%)高の2万3295円48銭でした。私の持ち株の評価損益率は、同比2.33%高です。

持ち株の、年始(1月6日)からの評価損益率の推移を確認すると、6月に付けた高値を未だに更新できずにいます。対して日経平均株価の年足を見ると、1.5%安にまで回復しています。

2020/11/02

日経平均株価の年足を年末に確認すると結局、前年末比から上昇して終わるのではないでしょうか。3月中旬の底値付近で仕込んだ方は、大儲けの1年で終われるかも知れません。


レーザーテック、純利益3倍増も資金効率低下


株価が今年大きく上昇した銘柄の一つに、半導体検査装置メーカーのレーザーテックが挙げられます。7〜9月期の連結決算を同社が10月30日に発表しています。純利益は31億円で、前年同期の3.2倍でした。極端紫外線(EUV)に対応した欠陥検査装置の販売が伸びたのが要因です。回路を形成する部材「マスク」向けのうち、最先端技術であるEUVを使うタイプでは同社が世界市場を独占しています。売上高は131億円(同2.4倍)、営業利益は45億円(同3.2倍)で、半導体関連装置の受注高が228億円(同2.6倍)と急増しています。

  • 売上高 131億円
  • 営業利益 45億円
  • 純利益 31億円
  • 半導体関連装置の受注高 228億円

半導体関連装置の受注が急増する一方で、資金効率の低下を意識したいところです。資金効率を示すキャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)が長期化していることが分かります。CCCは、現金を仕入れのために支払ってから製品販売で回収するまでの期間を表します。そのCCCが471日(20年6月期)と、2015年から212日(約8割)延びています。

CCCは一般的に、短いほうが事業に必要な資金が少なくて済みます。アップルのCCCは-26日、コカ・コーラは-205日(両社とも20年4〜6月期のCCC)を示しています。

同社のCCCが延びた背景にあるのが、製品の製造から販売までの期間(リードタイム)の長期化です。極端紫外線(EUV)に対応した欠陥検査装置の製造工程は複雑で、リードタイムは約2年間と従来製品の4倍程度。この受注が急増したため、仕掛品や部材など現金化前の棚卸資産が膨らんだ構造です。

貸借対照表(B/S)にある「前受け金」は部材の購入資金に充てられますが、将来の納品と引き換えなので負債です。自己資本比率がその結果、5年前に比べて50%以下に下がっています。 自己資本比率がこの水準であれば問題ありませんが、長期化するリードタイムを削減するため、顧客工場で完成品の品質を確認するなど財務改善の取り組みが進んでいます。

同社の株価は前年比で60.8%高(11月2日)、7月、8月に下落した分(-22.4%)を9月、10月の上昇で取り戻す勢いです。

2020年10月29日木曜日

5千円分のマイナポイントを早速入手。食費や日用品で上限に


こんばんは。ひとりです。

日経平均株価の終値は29日、前日比86円57銭(0.37%)安の2万3331円94銭でした。私の持ち株の評価損益率は、同比1.6%安と連日の大幅下落です。

2020/10/29

保有銘柄の一つが場中に決算を発表しました。決算内容を受けて4%超の下落です。「DXグランプリ2020」の受賞効果は名ばかりで、株価はMonotaROに置いてきぼりにされています。


5,000円相当分のマイナポイントが早速付与


マイナポイントが早速付与されました。上限5,000円相当分です。


私は三井住友カードにマイナポイントを連携させて、食費や日用品の支払いに利用しています。どうやら累計利用金額が2万円(税込)以上に到達した模様です。 


2020年10月28日水曜日

アップルの繁栄、iPhoneの誕生は「CCC戦略」があってこそ


こんばんは。ひとりです。

日経平均株価の終値は28日、前日比67円29銭(0.29%)安の2万3418円51銭でした。私の持ち株の評価損益比率は、同比3.3%安です。

2020/10/28

限られた運転資金で事業をいかに営むか。コロナ禍にあって、上場企業がこれまで以上に資金効率の改善に力を入れています。

運転資金の効率を示す指数にキャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)があります。材料、商品の仕入れから、商品を販売して現金を回収するまでの期間を表し、この期間が短いほうが事業に必要な資金が少なくて済みます。

具体的には、

(1)売掛債権回転日数 +(2)棚卸資産回転日数 –(3)買い入れ債務回転日数

で算出します。

(1)売掛債権回転日数と(2)棚卸資産回転日数は、売掛金や在庫を現金化するまでの期間を、(3)買い入れ債務回転日数は仕入れ代金を払うまでの期間です。

  • (1)売掛債権回転日数 … 売掛金を現金化するまでの期間。売上債権 ÷ 1日当たりの売上高(売上高 ÷ 365日)で算出。
  • (2)棚卸資産回転日数 … 在庫(棚卸資産)を現金化するまでの期間。棚卸資産 ÷ 1日当たりの売上原価(売上原価 ÷ 365日)で算出。
  • (3)買い入れ債務回転日数 … 仕入れ代金を払うまでの期間。仕入債務 ÷ 1日当たりの売上原価(売上原価 ÷ 365日)で算出。

つまり、原材料費の支払いを遅らせ、在庫を減らし、販売代金の回収を早めるとCCCの日数が減ります。

CCCの日数削減を目標に掲げる、つまり、「現金をどう創出するか」を課題にする日本企業はここ10年で増えています。例えば日立製作所や物流機器大手のダイフクがそうで、日立は現場業務にCCCを落とし込むために「キャッシュフロー責任者」という役回りを作っています。製造や営業担当者にも積極的に関与してもらうためです。

CCCのメリットとして、資金回収や在庫管理に焦点が当たっていて、現場の業務に落とし込みやすいことが挙げられます。日立の現場では実際に、売掛金や棚卸資産の手持ち日数の改善策を考えて実行に移しています。またダイフクはこれまで、大半の取引先で納入工事を完了してから代金を回収していましたが、CCCの日数を減らすために工事の進捗度合いに応じて代金を受け取るなど資金回収方法を工夫しています。(ダイフクの企業広告が28日、日経朝刊1面に掲載されています)

一方で、CCCのデメリットも確認しておきます。それはキャッシュや在庫の管理以外に関する効率性や収益性の視点が入っていないことです。


CCC戦略なしにiPhoneやiPadは生まれなかった


海外主要企業の資金効率に目をやると、日本企業とのCCC日数の開きがよく見えます。CCCの優良企業として有名なのが米アップルです。アップルのCCCはマイナス26を示します。つまり、iPhone12などの商品が売れる前から、アップルの手元に現金が入ってくる理屈です。CCCがマイナスだと、原材料などの購入費の支払いよりも販売代金の回収が早いということで、売上高が増えるほど、社内に資金が溜まっていく仕組みです。

CCCの日数削減を生み出す、アップルのサプライチェーンをスティーブ・ジョブズ時代に構築したのが、現CEOのティム・クック氏です。原材料購入の交渉力が強いと、延ばした支払いは研究開発費などへの投資資金として確保できます。この経営資源を投下した結果生まれたのがiPhoneやiPadです。アップルの今日の繁栄は、CCC戦略なしには実現しなかったかもしれません。

2020年10月19日月曜日

米国ETF、セクター別構成比率の比較。VTI、VYM、IJR、VIG


こんばんは。ひとりです。

日経平均株価の終値は19日(月)、前週末比260円50銭(1.11%)高の2万3671円13銭でした。私の持ち株の評価損益率を確認すると、6月9日に付けた高値を未だ超えられない状態です。


一方で保有する米国ETFは堅調です。
  • VTI
  • VYM
  • IJR
  • VIG

セクター別構成比率を確認します。

2020年9月30日更新

先月のセクター別構成比率と比較すると、VYMとVIGが動いています。



変化はチャートを重ね合わせるとよく見えます。色の濃いチャートが9月30日更新分(最新)です。

キヤノン、最下位。ディスクロージャー優良企業選定 2020


こんばんは。ひとりです。

日本証券アナリスト協会では「証券アナリストによるディスクロージャー優良企業選定」制度を設けています。(1995年から毎年実施)

今年の優良企業が選定されていますのでご紹介します。 


日経新聞広告(2020年10月15日)

ディスクロージャーとは、企業が株主や債権者に対して経営内容などの情報を開示することです。法令諸規則に基づいて開示される財務諸表や有価証券報告書、アニュアルレポートがそれで、日本には金融商品取引法で規定されているものと、会社法で規定されているものとがあります。

日本証券アナリスト協会のディスクロージャー優良企業選定にあたっての評価基準は5つです。

  • 経営陣のIR姿勢、IR部門の機能、IRの基本スタンス
  • 説明会、インタビュー、説明資料等における開示
  • フェア・ディスクロージャー
  • コーポレート・ガバナンスに関連する情報の開示
  • 各業種の状況に即した自主的な情報開示

私が保有する“恥株”キヤノンは「電気・精密機器」部門の審査対象企業です。評価対象企業は23社あり、結果は最下位(23位)です。

評価基準ごとの順位を確認します。なるほど、現在の株価水準に比例する酷い有様です。

  • 経営陣のIR姿勢、IR部門の機能、IRの基本スタンス(23位、最下位)
  • 説明会、インタビュー、説明資料等における開示(19位
  • フェア・ディスクロージャー(16位
  • コーポレート・ガバナンスに関連する情報の開示(23位、最下位)
  • 各業種の状況に即した自主的な情報開示(23位、最下位)

評価基準5つの内、3つで最下位です。ちなみに前回の順位は19位(審査対象企業23社)でした。

「精密機器」部門に絞ると評価対象企業は9社となりますが、もちろん最下位(9位)です。

  • 経営陣のIR姿勢、IR部門の機能、IRの基本スタンス(9位、最下位)
  • 説明会、インタビュー、説明資料等における開示(9位、最下位)
  • フェア・ディスクロージャー(9位、最下位)
  • コーポレート・ガバナンスに関連する情報の開示(9位、最下位)
  • 各業種の状況に即した自主的な情報開示(9位、最下位)

ちなみに前回の順位も最下位(審査対象企業9社)です。経営陣のIRに対する考え方、IR部門が機能していないことがよく分かります。早々に経営陣の意識改革、入れ替えが必要です。株価軟調の原因の一つがここに見えます。